「私自身ならば20年後は確実に死んでいるのに、20年後はどうなるなんて無責任なことは言えません。また、若くもないのに若い人に向かって、どう生きよ、なんて言えない。私が若かった頃に、大人たちのもっともらしい意見が大嫌いでしたから。
 若い人には、私も好きなように生きてきたのだから、あなた方もそうすべきよ、と言うでしょう。ただし、その結果がどうなろうと、誰に対しても責任は転嫁しないでね、とも。責任を転嫁するくらい、見苦しい生き方はないのですから。」
塩野七生 小説家)