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ゆれる [DVD]

西川美和監督作品。自分で書いたものなら自分で把握しているので、監督としてキャスト
やスタッフにすらすらと指示を出せる、というのが脚本を書き始めたきっかけらしい。

事件の起こる不安定な吊り橋というのは劇中で激しく揺れ動く兄弟の関係性を表す
メタファーなのだろう。家族関係、信頼、確執、嫉妬などの人間性に踏み込んで
切り刻もうとせんばかりの西川美和のサディスティックな視点がたまらない。

他の「蛇イチゴ」「ディアドクター」とともにおすすめです。ぜひ。

崖の上のポニョ [DVD]

「ハウル」と「ゲド戦記」は面白くなくて映画館で寝てしまったが、こちらは主人公
二人のキャラクターのかわいらしさ、シンプルでスピード感を重視したストーリー、
細部まで描き込まれた鮮やかなアニメーションに引き込まれ途中まではとても楽しめた。
しかしクライマックスで試練がこれから訪れようかというところで尻切れたような
終幕を迎えてしまった。一時間四十分という総時間はまるで二十分のラストを描き
忘れてしまったかのようにすら思える。

映画制作終盤でも絵コンテの仕上がらないスケジュールの管理、細田守の「ハウル」
での降板、「ゲド戦記」の不出来。スタジオジブリも組織として大きくなりすぎたの
かなとちょっと寂しくなった。