人の多く集まる場には一応いつも使う一眼レフを持っていくのだけれど、
全く撮ったためしがない。


普通の人にとっては大きなカメラをいそいそとカバンから出して、
普通の人にとっては信じられないくらい大きなストロボを上にのせて、
よっこらせと目の高さまで持ち上げて、
意図せずして相手を威嚇してしまいながら撮る。


いつまで経ってもこれがとても恥ずかしい。
何だか照れてしまうので人にカメラを向けて撮るなんて年に数枚程度で、
写真を撮っている姿も見られたくないので、他の人といるときには
カメラを取り出してその辺の風景を撮ることすら相当にためらう。


カバンから出したときの「なにそれー」とか「写真が趣味なの?」という
リアクションに対応するのを想像するだけで「今日は撮るのやめとこう」と
思って諦めてしまうのだ。


自分のこういうことを面倒くさがるところはあまりよくないとは思う。


がんばってカメラを出したとしても、
人にレンズを向けたり、「撮るよー」って声をかけたりというのができない。
本当は撮りたいのに不必要にもじもじしてしまう。


ここのブログを見てくれている人が、何かの連絡のついでだったか、
自分の結婚式で「いい写真を撮ってね」と言ってくれていたのだが、
その結婚式でもカバンからカメラを取り出すこともできなかった。
何だか申し訳ない。


でも久しぶりに実家に帰って小さい頃の写真を見て、
年齢ごとの顔つきとか、時代ごとの風景とか、
年代ごとのプリントの色合いや紙質とか、
それらのひとつひとつがとても愛おしく感じられたので、
やはり少し勇気を振り絞って人前で写真を撮ろうと思う。


と、ここで高らかに言っておけば今後少しは撮りやすくなるかもしれない。


よく考えたら、中学校の時以来の自分の記念写真も全くと言っていいほどない。
今まではそんなこと考えもしなかったし何とも思っていなかったのに、
急にそういうものが欲しくなった。


僕も歳をとったのでしょうか。